2008年08月04日

【不正競争防止法】の重要論点と判例「著作権&知的財産権」相談室 第13号 平成20年8月4日(月)

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 「著作権&知的財産権」相談室 第13号 平成20年8月4日(月)

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【不正競争防止法】の重要論点

 不正競争防止法第2条第1項第1号に関連する最高裁判所の裁判例について、
次のうち、誤っているものは、どれか。

1 「混同を生じさせる行為」は、広義の混同惹起行為をも包含する。

2 他人には、特定の表示に関する商品化契約によって結束した同表示の使用許諾
者、使用権者及び再使用権者のグループのように、同表示の持つ出所識別機能、
品質保証機能及び顧客吸引力を保護発展させるという共通の目的のもとに結束し
ているものと評価することのできるようなグループも含まれる。

3 甲の商品表示は、損害賠償の請求については乙が損害賠償請求の対象とされて
いる類似の商品表示の使用等をした時点において、周知性を備えていることを要
し、かつ、これをもって足りる。

4 広く認識された他人の営業であることを示す表示は、営業主体がこれを使用な
いし宣伝した結果、その営業主体の営業であることを示す表示として広く認識さ
れるに至った表示でなければならず、第三者により特定の営業主体の営業である
ことを示す表示として用いられ、その表示として広く認識されるに至ったものは
含まれない。

5 商品の混同の事実が認められる場合には特段の事情がない限り営業上の利益を
害されるおそれがある。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


■正解…4

1.○ その通りです。最判平成10年9月10日(スナックシャネル事件)は、「、
他人の周知の営業表示と同一又は類似のものを使用する者が自己と右他人とを同
一営業主体として誤信させる行為のみならず、両者間にいわゆる親会社、子会社
の関係や系列関係などの緊密な営業上の関係又は同一の表示の商品化事業を営む
グループに属する関係が存すると誤信させる行為(以下「広義の混同惹起行為」
という。)をも包含し、混同を生じさせる行為というためには両者間に競争関係
があることを要しないと解すべき」としています。

2.○ その通りです。最判昭和59年5月29日(フットボールチームマーク事件)
は「不正競争防止法一条一項柱書所定の営業上の利益を害されるおそれがある者
には、周知表示の商品化事業に携わる周知表示の使用許諾者及び許諾を受けた使
用権者であつて、同項一号又は二号に該当する行為により、再使用権者に対する
管理統制、周知表示による商品の出所識別機能、品質保証機能及び顧客吸引力を
害されるおそれのある者も含まれるものと解するのが相当である。」としていま
す。


3.○ その通りです。最判昭和63年7月19日(アースベルト事件)は、「自己の
商品表示が不正競争防止法一条一項一号にいう周知の商品表示に当たると主張す
る甲が、これと類似の商品表示の使用等をする乙に対してその差止め等を請求す
るには、甲の商品表示は、不正競争行為と目される乙の行為が甲の請求との関係
で問題になる時点、すなわち、差止請求については現在(事実審の口頭弁論終結
時)、損害賠償の請求については乙が損害賠償請求の対象とされている類似の商
品表示の使用等をした各時点において、周知性を備えていることを要し、かつ、
これをもつて足りるというべきである。」としています。

4.× 間違いです。最判平成5年12月16日(アメックス事件)において、「不正
競争防止法一条一項二号にいう広く認識された他人の営業であることを示す表示
には、営業主体がこれを使用ないし宣伝した結果、当該営業主体の営業であるこ
とを示す表示として広く認識されるに至った表示だけでなく、第三者により特定
の営業主体の営業であることを示す表示として用いられ、右表示として広く認識
されるに至ったものも含まれるものと解するのが相当である」とされました。

5.○ その通りです。最判昭和56年10月13日(マクドナルド事件)は「不正競
争防止法一条一項一号にいう他人の商品との混同の事実が認められる場合には、
特段の事情がない限り、右他人は営業上の利益を害されるおそれがある者にあた
るというべきである。」としています。


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2008年08月01日

【不正競争防止法】の重要論点「著作権&知的財産権」相談室 第12号 平成20年8月1日(金)

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【不正競争防止法】の重要論点

 革製品の製造販売を行っているフランスのA社が、新しい形状のハンドバッグ
「Venice」を発表し販売した。このバッグは、ユニークな形状を持つハン
ドバッグとして、日本でも、ファッション誌等でとり上げられ、新しいハンドバ
ッグ「Venice」として広く知られるようになった。この状況を前提として、
次のうち、最も適切なものは、どれか。

1 東京都のB社が、全く同一の形状のハンドバッグを、「Milano」という
表示を付して販売しても、不正競争とはならない。

2 兵庫県のC社が、「Venice」という表示を付して婦人用ブーツを販売し
ても、不正競争とならない。

3 京都府のD社は、「Venice」という表示を付したハンドバッグを、A社
がハンドバッグ「Venice」を販売する以前から販売していた。D社が、そ
のハンドバッグを従前から販売していた店舗で引き続き販売することは、不正競
争とならない。

4 大阪府のE社が、形状の異なるハンドバッグを、「Venice」という表示
を付して販売することは、不正競争とならない。

5 神奈川県のF社が、A社の許諾を受けてニューヨークのG社が製造して販売し
たハンドバッグ「Venice」を輸入することは、不正競争となる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■正解…3

1.× 間違いです。不正競争防止法2条1項3号によれば「他人の商品の形態…を
模倣した商品を譲渡し、…行為」は不正競争になります。全く同一の形状のハン
ドバッグであれば、たとえ「Milano」という表示をしても不正競争です。

2.× 間違いです。不正競争防止法2条1項1号によれば、「他人の商品等表示…
として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を
使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、…て、他人の商品又は営
業と混同を生じさせる行為 」を不正競争としていますが、ここでいう混同とは,
競業関係のある者であることを前提として商品の出所または営業の主体の同一性
について取引者・需要者に誤認が生じることのみならず(狭義の混同),商品等
表示を冒用する者と冒用された者との間に何らかの経済上または組織上,親会
社・子会社の関係,系列関係や提携関係があるとの誤認が生じる場合をも含むと
考えられています(広義の混同)。よって、ハンドバッグでなくて婦人用ブーツ
であっても、「Venice」という名称を付していれば、フランスのA社また
は関連するものの販売と誤認が生じる虞がありますので、不正競争になります。

3.○ その通りです。不正競争防止法19条1項3号によれば、「他人の商品等表
示が需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一若しくは類似の商
品等表示を使用する者…がその商品等表示を不正の目的でなく使用し、又はその
商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡…」する行為は不正競争防に
なりません。京都府のD社による販売まさにこれに該当します。そのまま売って
いいのですよ。

4.× 間違いです。不正競争防止法2条1項1号によれば、「他人の商品等表示…
として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を
使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、…て、他人の商品又は営
業と混同を生じさせる行為 」を不正競争としていますので、たとえ形状の異なる
ハンドバッグであっても、「Venice」という表示があれば、不正競争にな
ります。

5.× 間違いです。その商品がA社の許諾を受けているのであれば、その商品
の輸入は正当行為です。

 
★参照条文

(定義)
第二条  この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
一  他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若
しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需
要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、
又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しの
ために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人
の商品又は営業と混同を生じさせる行為
二  自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のもの
を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しく
は引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供
する行為
三  他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除
く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、
輸出し、又は輸入する行為

(適用除外等)
第十九条  第三条から第十五条まで、第二十一条(第二項第六号に係る部分を除
く。)及び第二十二条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該
各号に定める行為については、適用しない。

三  第二条第一項第一号に掲げる不正競争 他人の商品等表示が需要者の間に広
く認識される前からその商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示を使用する
者又はその商品等表示に係る業務を承継した者がその商品等表示を不正の目的で
なく使用し、又はその商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、引
き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通
信回線を通じて提供する行為

 
 

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posted by 中川総合法務オフィス代表 at 18:18| 京都 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 知的財産権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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